【熱中症対策】企業でできる“からだのケア”福利厚生のすすめ

「熱中症」と聞くと、強い日差しの中での運動や屋外作業時に発症するものというイメージがあるかもしれません。しかし実際には、室内やオフィス環境でも多くの熱中症が発生しています。

冷房が効いた室内に長時間いると、汗をかかずに体温調整機能がうまく働かなくなり、体に熱がこもる状態になりがちです。加えて、こわばった筋肉や猫背の姿勢は呼吸を浅くし、体内の循環を悪化させる要因にもなります。こうした「見えにくい体の不調」が、熱中症リスクを高める一因となっているのです。

体温調節は、主に「自律神経」の働きによって調整されています。この自律神経は、気温や環境の変化に応じて発汗や血管の拡張・収縮などを行い、体温を一定に保つ役割を担っています。

しかし、ストレス、睡眠不足、冷房による冷えなどが続くと、自律神経のバランスが崩れ、暑さへの適応が難しくなる場合があります。その結果、「なんとなく疲れが取れない」「頭がボーッとする」「集中力が続かない」などの症状が現れ、仕事のパフォーマンスにも影響を与えかねません。

これは、単なる“夏バテ”ではなく、身体の中の調整機能がうまく働いていないサインかもしれません。

企業で導入が進みつつある福利厚生サービスの中に、「整体」や「訪問型マッサージ」など、身体のメンテナンスを目的としたケアプログラムがあります。

その中でも、私のような理学療法士が提供する整体サービスは、一般的なリラクゼーションとは異なり、解剖学・運動学・生理学の知見に基づいて体の不調を分析・アプローチするのが特徴です。

たとえば、呼吸が浅い社員に対しては、胸郭や肋骨まわりの動きを改善する手技や姿勢指導を行い、自律神経を整えるサポートを行うことができます。また、日頃の動きの癖や筋肉の使い方を見極めて、根本的な体の使い方の改善も提案します。

これは、表面的なリラクゼーションでは得られない、「働きながら健康になる」ためのサポートです。

夏の不調の多くは、循環不良・姿勢の崩れ・体の冷えなど、さまざまな小さな要因が重なって起きます。整体では、筋肉の緊張をゆるめ、血流やリンパの流れを促すことで、体の自然な回復力や調整力を引き出すことができます。

特に首や肩、背中まわりの筋肉が硬くなると、熱が体内にこもりやすくなります。また、骨盤のゆがみや姿勢の崩れも、内臓の働きや代謝に影響を及ぼします。整体の施術を通して、「体の内側」から夏に負けないコンディションを整えることが可能なのです。

オフィスで長時間座っている方も、現場で体を動かす方も、体にはそれぞれ違ったストレスがかかっています。そして多くの方が、そのストレスや疲労に気づかないまま日々を過ごしています。

企業として「健康経営」や「ウェルビーイング」に取り組むのであれば、まずは社員一人ひとりが自分の体の状態に目を向ける機会をつくることが大切です。整体や体のケアの導入は、そうした“気づき”を与えるきっかけになります。

そしてそのきっかけが、パフォーマンス向上、離職予防、職場の活性化といった波及効果を生む可能性もあるのです。

自分の体について気づきがあったとしても、実際にどうすれば良いのかわからないことが多いと思います。
以前の職場でも熱中症で運ばれてくる患者様は多くいました。そこで私から対策と運動を伝えさせていただきます。

【対策】
しっかりと水分を摂ること。
しっかりと睡眠をとること。
適度に定期的に体を動かすこと。

【運動】
全身のストレッチ
踵の上げ下げ体操
ウォーキング

簡単なことかもしれませんが、元々人間が備えている機能をしっかりと使っていくことで、症状の発症や悪化は予防することができると思います。
特に冷房で冷えた体のまま出勤したり、作業をすると寒暖差もありだるさや自律神経の不安定さにつながると言われています。
皆様も一日5分で良いので自分の体のため時間を作ってみてはいかがでしょう。

熱中症や夏バテといった問題は、決して特別な人にだけ起きるものではありません。誰にでも起こりうる、身近なリスクです。そしてそれを予防するために必要なのは、「自分の体を知ること」、そして「適切なケアを受けること」です。

理学療法士として、私は体の専門家としての知識と経験をもとに、企業や働く方の健康を支えるお手伝いをしています。予防医療とケアの視点から、企業にできる健康サポートの一つとして、からだのケアを提案できればと思っています。また、SNSを通して健康のサポートや体に優しい運動の仕方などを発信していこう考えていますので、是非HPにあるリンクから登録していただけたらと思います。

暑さが本格化するこれからの季節、ぜひ一度「体の状態」を見つめ直す時間を取ってみてください。それが、毎日を元気に乗り越える第一歩になるはずです。