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企業が社員の健康支援を目的に導入する「福利厚生」。その中でも、近年ニーズが高まっているのが「からだのケア」に関するサービスです。

オフィスでマッサージが受けられる、整体が定期的に導入されている──こうした取り組みは、従業員満足度の向上や健康経営の一環として注目されています。

しかし、同じ「出張整体」「訪問マッサージ」といっても、その内容と提供者によって大きな違いがあることをご存じでしょうか?

本記事では、埼玉を拠点に企業向け出張整体を提供する理学療法士として、「単なるマッサージ」と「専門的な理学療法士による出張整体」の違いを、現場経験を交えてご紹介します。

1. 施術の“目的”と“視点”がまったく違う

まず大前提として、一般的なリラクゼーションマッサージと、国家資格を持つ理学療法士が行う出張整体では、そもそもアプローチの視点と目的が大きく異なります。

◉ マッサージ:その場の疲労回復や癒しが目的
リラクゼーションを目的とするマッサージでは、筋肉の表層にアプローチし、心地よい刺激で血流を促すことがメインです。心身のリラックスや一時的な疲労回復に役立ちますが、根本的な原因分析や改善アプローチは行わないケースが多いです。

◉ 理学療法士の出張整体:原因を見極め、改善へと導く
一方、理学療法士が行う出張整体では、施術の前にまず姿勢・動作・生活背景などを含めた評価を行い、痛みや不調の原因を分析します。その上で、

関節の動き

筋肉の状態

神経や循環のバランス

生活動作との関連性

といった医学的な根拠に基づき、予防・改善を目的としたケアを提供します。

2. 解剖学・生理学的に“体の不調”を読み解く力

単なる筋肉のコリではなく、なぜそこに痛みが出ているのか? なぜ同じ姿勢でいるとつらくなるのか?──その問いに答えられるのが、理学療法士です。

◉ 例:肩こりが起きる理由の捉え方の違い
一般的なマッサージ:肩まわりを揉んで血流をよくする

理学療法士:猫背姿勢+呼吸の浅さ+頸椎の可動域制限の評価→骨盤からの調整、姿勢指導、胸郭の可動改善へとアプローチ

「触る場所」ではなく「原因のある場所」に働きかけることで、表面的ではない本質的な変化を引き出すことが可能になります。

また、職業や動作特性に応じた負担の出方も読み解くことができ、オーダーメイドの施術・運動指導が可能です。

3. 医療・介護の知識を活かし、“気づける・止められる”体の危険信号

理学療法士は、病院・訪問リハ・介護施設などで医療現場を経験しています。これは、福利厚生の場で働く人の「まだ症状が軽い段階」に介入する上で、非常に大きな武器となります。

◉ 単なる疲労? それとも疾患の前兆?
片方だけの肩の痛みが長引いている

下肢にかけてのしびれと重さが続いている

歩行がふらつく、バランスを崩しやすい

これらは、一見すると「疲れ」や「加齢」と見過ごされがちですが、早期の腰椎ヘルニア・脳血管障害・変形性関節症などの可能性も含んでいます。

理学療法士はそうしたリスクを踏まえて、医療機関への受診を勧めたり、危険サインを早期発見する力を持っています。

また、介護現場での経験から、高齢者の転倒リスク、骨粗鬆症、フレイル・ロコモの予備段階などを見逃さず、アドバイスができます。

4. 高齢社員・障害者雇用の“職場環境調整”にも対応可能

企業には、年齢や身体的特性を問わず多様な従業員がいます。60代以上のベテラン社員や、障害を持ちながら働く方への配慮や支援は、現場に即した知識が必要です。

◉ 例:椅子の高さが合わないことで腰痛を悪化
→ 理学療法士は「動作」「環境」「身体能力」のバランスを評価し、現実的な職場環境の調整提案が可能

◉ 障害者雇用での作業配分相談
→ 身体機能と作業特性を理解し、無理のない作業分担のアイデア提供ができる

このように、マッサージにはない「職場×身体機能のバランス調整」まで対応できるのが理学療法士の強みです。

5. トレーニング指導・趣味支援にも対応できる

趣味活動(ゴルフ・登山・マラソン・楽器・ダンスなど)に関する体の悩みに対しても、理学療法士はオーダーメイドのサポートができます。

「筋肉痛が出にくいフォームを知りたい」

「ランニング中に膝が痛くなる」

「ダンスで腰を痛めたが、再発を防ぎたい」

こうした悩みに対し、可動域・筋力・柔軟性・姿勢・動作分析を基に、個別に合わせたトレーニングやセルフケア法を提案できるのです。

これは、「疲れたら癒す」という考え方から一歩進んだ、**「元気に活動し続けるためのからだづくり」**につながります。

6. 福利厚生の質が問われる時代──企業は“選ばれる”立場に

健康経営やウェルビーイングという言葉が浸透し、「福利厚生」の中身が企業のイメージや採用力に直結するようになりました。

◉ “体のケア”も、質で選ばれる時代へ
一時的な癒しで満足させるだけの福利厚生

         vs

専門性と継続性で「体が変わる」ことを実感できる福利厚生

この差は、確実に従業員の満足度・企業の評価に影響を及ぼします。

埼玉エリアでは、出張整体を取り入れる企業が増加しており、本当に意味のある“からだの福利厚生”を求める傾向が強まっていると実感しています。

【まとめ】“触るだけ”ではない。“考えて動かす”のが理学療法士の整体

理学療法士が行う出張整体は、ただ筋肉をほぐすのではなく、「なぜ不調が起きるのか」「どうすれば再発を防げるのか」までを見据えた包括的アプローチです。

それは単なるリラクゼーションを超えて、「働く人の健康資本を守る」ための医療的・社会的支援でもあります。

理学療法士として、私は体の専門家としての知識と経験をもとに、企業や働く方の健康を支えるお手伝いをしています。予防医療とケアの視点から、企業にできる健康サポートの一つとして、からだのケアを提案できればと考えています。

また、SNSを通して健康のサポートや体に優しい運動の仕方なども発信していますので、ぜひホームページのリンクからチェックしていただけたら嬉しいです。

私の今までの医療・介護での13年の経験から、皆様にあった提案ができる自信があります。ぜひ一度ご利用いただけたら幸いです。